ドーン 講談社 1,890円
平野啓一郎さんの新作です。2033年に人類初の火星探査に成功した6人の宇宙飛行士、その中の日本人飛行士が主人公です。宇宙船の中で起きた事件や帰還後のアメリカ大統領選挙での問題、未来の世界で起こる大きな問題の数々に主人公の非常にパーソナル部分がシンクロしながら物語が進んでいきます。一人でいるときの自分と誰かといるときの自分が同じではないように、「人はあらゆる局面で分人化している」という考え方がおもしろいです。よく「キャラ」と表現されていますが、平野さんはインディヴィジュアル(個人)とディヴィジュアル(分人)と表現。SF的な楽しみ方もできつつ、純文学のおもしろさをかみしめられる新作です。
(2009年08月05日) | コメント (0) | トラックバック (0)
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