ユーモア小説の巨匠として知られる、1881年イギリス生まれの作家P・G・ウッドハウスの作品が、続々と再刊行されています。国書刊行会の「ウッドハウス・コレクション」は、ウッドハウスの代表作と言えるジーヴスを主人公としたシリーズ。ちょっとぬけている貴族の若旦那バーティーと、頭脳明晰で有能なスーパー執事ジーヴスとの絶妙なやり取りが笑いを誘います。何冊も出ているのでどれから読もうかと迷ったら、最初に刊行されたこちら『比類なきジーヴス』からどうぞ。ユーモアたっぷりで笑える本なので、読むと楽しい気分になって元気になれる気がします。
本というか手帳というか、今回はいつもとは少し毛色の違うものをご紹介します。この「大人の読書ノート」は、読んだ本の感想を記す読書日記です。書くスペースが大きすぎると何を書こうかと悩みますが、本書は1ページに2冊ずつ書き込むようになっており、ちょっとしたコメントで十分埋められそうなスペースです。これならプレッシャーにならないので、長く続けられそうです。巻末に芥川賞や直木賞、山本周五郎賞、大宅壮一ノンフィクション賞、ノーベル文学賞などの受賞作一覧があったり、1960年以降の主な出来事やベストセラーが掲載されているのが便利。次は何を読もうかなと考えながら一覧を見ているだけでも面白いです。本好きの方や
最近、猫本ブームです。人気の猫ブログが続々と書籍化され、DVDまで出ているものもあります。中でもうちで一番売れているのが『まこという名の不思議顔の猫』。何とも言えない愛嬌たっぷりのまこの表情に癒されます。DVD付きの『ふちゃぎとエリザベス』(サンクチュアリ出版)は二匹の猫の成長物語。DVDには生後間もない捨て猫ふちゃぎがミルクを飲む貴重な映像も。土鍋に入って寝るのが大好きな猫たち『ねこ鍋ーみちのく猫ものがたり』(二見書房)も話題です。書籍のほかDVDも出ています。小さな土鍋にぎゅうぎゅうと何匹も入っている写真がカワイイです。これからも新しい猫本が出るようなので、猫本ブームはまだまだ続きそうです
江戸時代の深川、古道具屋兼損料屋「出雲屋」を舞台にした連作短編集です。損料屋とは今でいうレンタル屋のことで、布団や鍋、着物など何でも貸し出すお店のことです。ここで貸し出す物の中には、100年以上の古い道具もあり、こうした古い道具にはつくもがみ(付喪神)が宿っているとか。単なる物ではなく妖怪と化した道具は、あちこちの家にいってはいろいろな情報を聞きつけ、出雲屋の主人である姉弟に報告。おせっかいな妖怪たちが巻き起こす騒動が笑えます。ちょっとしたミステリーもあり、ファンタジーもあり、時代小説を読み慣れない方でも楽しめる作品です。著者の畠中恵さんは『しゃばけ』シリーズ(新潮社)が有名。年配の女性や若い
『タイタンの妖女』『スローターハウス5』『猫のゆりかご』などで知らせるアメリカの作家、カート・ヴォネガットの遺作となったエッセー集です。痛烈なブッシュ批判も戦争や環境破壊への批判も、ヴォネガットらしいユーモアと皮肉をまじえた軽妙な語り口で綴られています。変わり者だけれど、誰よりも世界の平和をのぞんでいた人なんだということが伝わってきます。もちろん、それをストレートには言わず、シニカルな笑いに包んでおもしろく、ヴォネガット流に発信しているのが最高です。あちこちに散りばめられた、ヴォネガットの手書き文字によるイラスト作品も味わい深いです。帯には「この本の全ての言葉を自分の頭にインプットしたいと思っ
講談社エッセー賞を受賞した、翻訳家の岸本佐知子さんが放つ、岸本ワールド全開のエッセー集。前作『気になる部分』(白水Uブックス)もおもしろい本でしたが、本作はさらにパワーアップしています。岸本さんの頭の中を駆けめぐるおかしな妄想が、淡々とした口調で語られています。たとえば、「ちょんまげ」という髪型に対する違和感など、日々感じているふとした疑問の考察や哲学的な思索から始まり、誰も止められない妄想の世界へと発展。暴走する妄想がとにかく笑えます。「絶対に変!」と思いながらも、読んでいるとシュールな笑いにグイグイと引き込まれてしまいます。売り場のスタッフの間でも、ちょっとしたブームになっています。
人気スタイリストの伊藤まさこさんが、東京のとっておきの散歩コースを紹介した本です。吉祥寺、根津・谷中、二子玉川、青山、西荻窪、青梅などを歩いています。散歩の途中で見つけたおいしいパン屋さんやカフェ、雑貨屋、美術館、公園、神社など、若い人から年配の人まで楽しめる場所がたくさん載っています。特に気になったのが、コーヒーを飲みながら古本探しができるという中目黒のCOW BOOKS。さっそく行ってみようと思いました。この本は散歩の仕方と楽しみ方を教えてくれるので、これをきっかけに独自の散歩コースを見つけてみてはいかがでしょうか。
重松清さんの新聞連載小説。といっても、大幅に加筆修正され、連載よりもさらに素晴らしい作品に生まれ変わりました。主人公は、39歳の若さで肺がんにかかった男性。自分の人生が残りわずかだと知った彼は、故郷に帰り幼なじみと再会します。人を許し、人に許されること--。この本は、死が目前に迫った男と友人たち、4人の幼なじみを通して描く贖罪の物語です。1章ごとに涙がにじんできて、ラストでは号泣してしまいました。悲しく切ない物語ですが、悲しみ以上に感動が残る物語です。
奥田英朗の新作は、家で起こるさまざまな出来事や夫婦の日常を綴った「在宅」小説。妻と別居し、自分好みに部屋を模様替えしていくうちにすっかりインテリアにはまる夫の話、ロハスに凝る妻をちょっと斜めから見ている小説家の夫の話、新しい物好きで職をころころ変える自由奔放な夫とイラストレーターの妻の話など6編。なにか特別な事件が起きるわけではなく、淡々と進行しているのにユーモアたっぷり。読みながら顔が笑っている自分に気づきました。どの話もおもしろいです。
ミステリー界の新鋭、道尾秀介さんの新作は、軽すぎず、重すぎず、それでいて軽快な読み心地。テンポよく進むストーリーの随所に小技がきいていて、知らないうちにぐいぐいと物語の中に引き込まれていきます。予想を裏切る大技もあり! 一筋縄ではいかない上質ミステリーです。道尾さんといえば、デビュー作で「第5回ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、昨年度は既刊3冊すべてが「本格ミステリベスト10」内に入るなど、ミステリー界で今もっとも注目を集めている作家です。
『ウール100%』『長めのいい部屋』などの著者、フジモトマサルさんの4コマ漫画です。とぼけた感じのかわいい動物たちが主人公。スカンクやペンギン、ウサギ、リスなど、たくさんの動物が登場します。ギャグ漫画ではないので大笑いはできませんが、ちょっぴりシニカルでひねりが効いていて、クスリと笑わせてくれます。癒されること間違いなし。お店では、女性向けの棚で展開していますが、男性にもオススメしたいです。
『図書館戦争』『空の中』『海の底』などで知られる有川浩さんの新作は、自衛官の恋愛を描いた短編小説集です。自衛隊が舞台の作品は数あれど、恋愛小説となるとかなり珍しいのでは。ふだんはなかなか知ることができない、自衛官のプライベートな部分が描かれているのがおもしろいです。例えば、表題作「クジラの彼」は、潜水艦乗りの彼を持つ女の子の話。一度海に出ると長い間戻ってこないとか、どこにいるのかも分からないとか、そこには相手が自衛官ならではの悩みがあります。全6編の中には、スピンオフ作品もあり、ファンにはたまらない内容です。
京都好きにはたまらない本作は、京都を舞台にした、とびきりキュートな恋愛ストーリー。後輩の女の子に恋する大学生が主人公で、あの手この手で彼女を振り向かせようとする姿がほほえましく、脇を固める登場人物もユニークな人ばかり。メインは恋愛ですが、お菓子箱のように楽しい要素がたくさんつまった作品です。著者は、「太陽の塔」で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した森見登美彦さん。ファンタジー寄りの方ですが、独特の文体がおもしろく、年配のファンも多い作家です。うちのスタッフの間でも森見さんは人気です。
クリスマスが近いので、今回はプレゼントにおすすめの本を紹介します。児童文学出身の佐藤多佳子さんが書いた、陸上をテーマにした三部作『一瞬の風になれ』は、子供も大人も楽しめる内容。あさのあつこさんのヒット作『バッテリー』のように、とにかくおもしろいスポーツものです。 もう一冊、おすすめしたいのが『絵本からうまれたおいしいレシピ』(宝島社)シリーズ。『ぐりとぐら』のカステラなど、絵本に出てくるごちそうの作り方が載っています。お子さんと一緒に絵本の世界を満喫しながら、お料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。