相続の目録や遺言、これからやりたいことなど、ノートに書き込みながら老後を考えていくエンディングノートの新作です。知識編とノート編、2冊にわかれており、知識編にはお金や住まいのこと、介護が必要になったときのこと、相続と遺言のこと、葬儀のことなど、セカンドライフに役立つ情報が満載です。ノート編は自分史のような「心のアルバム」、60代・70代・80代をどう過ごすか、今後の目標やチャレンジしたいことを描く「夢のキャンバス」、現金・預金や有価証券、保険、不動産、ローンなどについてまとめる「財(たから)のクローク」、遺言にあたる「私のメッセージ」で構成されています。
米国では下手な文章のことを「法律家の文章みたい」と言うそうです。確かに法律家の文章は、相手を煙に巻くために、専門用語を多用してわざと難解にしているよう節がありました。今の時代は、法律書面も上手でないと訴訟には勝てないと、ハーバード・ロースクールではライティングの授業があるようです。本書の著者は、上級者向けライティング・セミナーの講師を務めていたスティーブン・D・スターク氏。文章を書く前の心構えから、編集の仕方、書面で議論する場合の書き方、メールの書き方など、法律文書に限らず、ビジネスでも役立つ文章のテクニックが満載です。
達人たちの言葉から“生きる勇気”をもらう「生きる言葉」シリーズ第5弾の著者は、資生堂名誉会長の福原義春さんです。「人を動かすのは理屈ではない。人の熱い情念なのである」「よく動く人は、本人も知らないうちに『偶然』や『運の種』をまいている」など、福原さんがこれまでの著書やインタビュー、講演などで伝えてきた多くのメッセージの中から、自身で言葉を選び編纂した「自分の言葉による自分のための座右の銘」を集めたものです。経営者としての実績もさることながら、芸術や文化に造詣が深い福原さんの人柄がにじみ出ているのが魅力。文化の香りや哲学の香りが漂っています。
電子書籍が一般化すると、私たちにはどんなメリットとデメリットがあるのか。朝日新聞社や学研、ダイヤモンド社で編集者として働き、電子書籍専門の出版社「アゴラブックス」を設立した著者が、iPadとキンドルをメインに電子書籍の世界を解説します。出版社や出版業界はどうなるのか、書店はどうなるのか、著者の印税はどう変わるのか、気になることがいろいろ書かれていました。これまでパソコンで電子書籍を読む気になれなかった人でも、本物の本と同じようにページをめくり、くつろぎながら読書できるiPadなら電子書籍を利用したいと思う人も多いのでは。iPadとキンドルの登場で、これからの書籍は大きく変わりそうです。
創業100年の老舗、ホッピービバレッジの三代目社長に就任した石渡美奈さんの著書です。大学を卒業後、他の企業に就職してから、祖父がつくった会社に入社した石渡さん。7年間で年商を4倍に伸ばし、危機的な経営状態から見事V字回復を果たしました。会社がぐんぐん成長できたのは、社員が成長したから。社員が成長できたのは、社長自信が成長を続けていたから。勉強したり自己啓発セミナーに通ったり、コミュニケーションしやすいしかけを考えたり、石渡さんがどのように自分と社員を成長させていったのか、具体的な方法が記されています。
マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツの実父、ビル・ゲイツ・シニアの著書です。三人の子供のうちの一人として、ビル・ゲイツの話も出てきますが、ほとんどは著者であるお父さん本人の話です。職業は弁護士。小さい頃から生徒会長をやったり、ボランティアをやったり、周囲との関わりを大切にし、積極的に生きてきた人。そんな彼の子供の頃の話や両親の話、どんな家庭環境で育ったのか、そして自分が家庭をもったときにどんな家庭を築き、どういう教育方針で子供を育てたのか。自分が生きる上で大切にしてきたことや子供たちへのアドバイスなどを綴っています。
著者の小西浩文さんは、日本人最多となる8000メートル峰6座無酸素登頂の記録をもつ登山家。といっても、この本は登山のことや特殊なサバイバル法を書いたものではありません。登山もビジネスも、基本的な心構えは同じ。自分で限界をつくっていては成長はできません。心の持ちよう次第では、それまで限界だと思っていたものを越えて、目標を達成することができるそうです。肉体的にも精神的にも辛い状況を幾度もくぐりぬけてきた小西さんの経験談とマネージメント術は、ビジネスマンにも役立つことばかりです。
明治31年に施行された民法が、世紀の大改正に向けて動き出しています。損害賠償や詐欺救済、時効、消費者保護、雇用契約、M&Aのやり方など、日常生活やビジネス分野に大きな影響がありそうです。改正後はどこがどう変わるのか。法律の専門家向けではなく、一般向けに書かれた本です。例えば、新車が突然エンジンストップした場合、改正後の民法ではどうなるのかなど、事例を挙げながらわかりやすく解説しています。著者は、企業コンプライアンスに詳しい弁護士の浜辺陽一郎氏。
NHKの「週刊こどもニュース」でキャスターを務めていた池上彰さんが、経済のことがよくわからない大人のために、経済の基礎知識をやさしく解説した本です。経済における「買い物」の役割や、株式投資の役割、税金の使われ方など、身近な例を挙げながらわかりやすく説明しています。2004年に発行され、9万部のベストセラーとなったものに新たに7項目追加。「どうして金融危機は起きたのか?」「日本経済はどんな打撃を受けたのか?」など、リーマンショック以降の世界金融危機についての話題が加わりました。
「ただより怖いものはない」という感覚は古いそうで、30歳以下の若い人たちにとっては「ただで当たり前」。インターネット系のサービスにしろ、商品のサンプルにしろ、消費者にとっては嬉しい「無料かつ自由」なサービスがあふれています。本書には、「無料」のものからいかにしてお金を得るのか、無料経済の仕組みが書かれています。どの業界にいても安心はできません。いずれ待っている「無料」との戦いに備えるためにも、読んでおきたい一冊です。著者は世界的にヒットした『ロングテールー「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』(早川書房)のクリス・アンダーソン。
季刊の学芸総合誌『環ーー歴史・環境・文明』にて、 2008年から4回にわたり行われた「自治」をめぐる誌上討論をまとめたものです。鳥取県知事の経験もある慶応大学教授の片山善博氏と元財務相の塩川正十郎氏が、毎回 1名ゲストを招き、教育再生と脱官僚依存、地方分権について自治の視点から考え、語り合います。討論に登場するのは、前岩手県知事の増田寛也氏、政治学者の御厨貴氏、医学者の養老孟司氏、ジャーナリストの粕谷一希氏の 4名。どの問題もまずは私たち一人一人が関心をもち、考え、自治に参加していくこと。それがいかに大切なことなのか、痛感しました。
近未来のメディアは一体どうなるのか。日経新聞の記者時代、デジタルメディアの取材を20年してきた著者が、これからのメディアの行く末を提示。これまでのマスメディアは「一対多」のメディアでしたが、グーグルに代表されるような検索エンジンやブログ、SNSなどの「多対多」のメディアを経て、2030年には「多対一」のメディア時代がくるとか。「一対多」から「多対一」にメディアが逆転した後の「究極のメディア」とは、どのようなものなのか。声→文書→印刷→テレビと発展してきたメディアの歴史やデジタルメディアの変遷をたどりながら、次世代メディアを詳しく紹介しています。
元衆議院議員の野中広務さんと人材育成コンサルタントの辛淑玉さんの共著。辛さんが野中さんにインタビューする形で進んでいきますが、途中に詳しい注釈もついています。日本の差別の歴史と現実がわかる本。特に最終章が興味深かったです。野中さん自身があとがきで「いささかしゃべりすぎた」と書かれているように、ここで初めて明らかにした話も多いようです。差別問題に積極的に取り組んできたお二人ですが、戦えば戦うほど、一番守りたい家族に辛い思いをさせてしまったというのが印象的でした。
足利事件の犯人として無期懲役の判決を受け、17年ぶりに釈放された菅家利和さんの本が発売されました。小さい頃の家庭環境や自分の性格について、逮捕された日のこと、取り調べのこと、刑務所での生活や支援者との出会い、再び自由になるまでの道が詳細に記されています。人に強く言われると反論できない菅家さんの性格を利用して、犯人にしたてあげた警察。この本を読むと、警察の取り調べがいかに横暴だったのか分かります。二審より弁護に当たった佐藤博史弁護士は、拘置所で面会した最初の30分で彼が犯人ではないと確信したとか。そんな穏やかで優しい人でも罪を着せられてしまう、冤罪の恐ろしさを改めて実感しました。
1949年に起きた三鷹事件。三鷹駅で無人電車が暴走し6人が死亡した鉄道事故です。単独犯行だったとして、逮捕された中で一人有罪判決を受けた竹内景助さん。冤罪が疑われながらも、獄中で亡くなったため真相はわからないままになっていました。この三鷹事件に関心を持った著者の高見澤昭治弁護士は、当時の膨大な裁判記録を再検証。事件発生から60年たった今、竹内さんの無実を証明しています。裁判員制度に参加したくない理由として「冤罪に荷担するのが怖いから」という意見があります。裁判について、冤罪について考えさせられる一冊です。
著者の駒崎弘樹さんは、仕事と育児の両立が当たり前の社会を目指して、病児保育事業を興した方。朝から眠るまで仕事漬けのワーカホリックだったそうですが、ある自己啓発セミナーをきっかけに働き方を見直すように。お金のためだけに仕事をするのではなく、地域や社会に貢献できることを仕事にする「社会起業家」という生き方を始めます。長時間労働はやめて家族と向き合う時間をつくる、地域社会に貢献する、皆が働き方を変えれば日本が変わると言っています。仕事人間から変身を遂げた著者がどのように変わっていったのか、この本を読むとあなたの働き方にも革命が起きるかもしれません。
仕事で文章を書く機会が多いのでしょうか。最近、文章の書き方に関する本を買われるビジネスマンの方が増えています。以前紹介した『弁護士が書いた究極の文章術―誤解なく読み手に伝える書き方のヒント28』に続き、お薦めしたいのがこちらの『悪文』です。新聞や雑誌、ラジオ、テレビ、広告などから悪文の実例を取り上げ、なぜ悪文になってしまったのか、具体的に誤りを指摘しながら、分かりやすい文集を書くためのコツを教えてくれます。「悪文のいろいろ」「構想と段落」「文の続き方」「修飾の仕方」「敬語の使い方」など、章ごとに執筆者は異なりますが、悪文を挙げ、解説していくスタイルは統一されています。
『弁護士が書いた究極の勉強法』『弁護士が書いた究極の読書術』に続き、第3弾となる本書のテーマは文章術。小説の書き方ではなく、ビジネスの現場で書く文章や大学のレポートなど、実用文の書き方がわかる本です。読み手はお客様であり、文章はサービス。サービスであるならば、難解な文章なんて論外です。読んだ人が短い時間で素早く論点を知ることができる、分かりやすい文章を書くにはどうしたらよいのか。具体的なヒントが28個書かれています。仕事のメールや報告書作りなど、文章を書く機会が多い方にはとても参考になると思います。
ここでいう「法律力」とは、法的思考力と法解釈力を併せたもので、一般のビジネスマンに最低限必要なスキルだそうです。バランス感覚を身につける「憲法」の授業、論理力を身につける「刑法」の授業、観察眼を養う「民法」、ビジネス感覚を磨く「商法」、トラブルから身を守る「刑事訴訟法」、争いを切り抜ける「民事訴訟法」と、本書は六法すべてを対象にしています。ひきのある例でわかりやすく解説されているので、ビジネスマンはもちろん、これから法律を勉強する学生の方など、法律の入門書としてどうぞ。
裁判員制度のスタートもいよいよ秒読み。法廷で使用される言葉の中には、日常的な日本語とかけ離れているものがたくさんあります。例えば「善意の第三者」という言葉。裁判では善良な人という意味ではなく、「ある事実を知らない人」という意味になります。情状酌量により「げんけい」と言ったら、「減刑」ではなくて「減軽」と書くのが正解。裁判について一から解説した本ではありませんが、法廷で使う不思議な言葉や法律用語をおもしろおかしく読むうちに、自然と法律や裁判の知識が得られる本です。「法廷ことばミニ辞典」やエッセイも入っています。
英語の学習教材としては、異例のヒットとなった『生声CD付き[対訳]オバマ演説集 』の姉妹編。オバマ大統領の就任演説から、わずか10日で発売になりました。作りは前作と同じで、生の音声を収録したCDに、演説の全文(英文と対訳)と詳しい語注が掲載されたテキストがついています。オバマ大統領の就任演説のほかに、ケネディの大統領就任演説とリンカーンのゲティスバーグ演説も全文掲載。ケネディの演説は生の音声、リンカーンの演説は吹き替えが収録されています。
英語学習のCNN English Express編集部から、音声CDが付いたバラク・オバマの演説集が出ました。オバマを一躍有名にした、2004年民主党大会での基調演説が全文収録されているほか、ヒラリー・クリントンとの指名争い中の演説や指名受諾演説、勝利演説が抄録されています。生声の臨場感あふれる演説をCDで聞きながら、英文と対訳、語注で英語が学べるというものです。ものすごく売れていて、英語教材として購入する人はもちろん、英語学習が目的ではない人も購入しているように感じます。人の心を捉えるオバマの演説は、スピーチ方法の参考にもなると思います。
シングルライフを生き抜く心構えやテクニックが書かれた『おひとりさまの老後』に続く、おひとりさまシリーズの第2弾は、結婚している人にもシングルの人にも役立つ法律の話です。遺産相続の手続きや不動産手続き、財産分与、お葬式など、パートナーと死別したり離婚したり、親族を亡くしたり、いざというときのために知っておきたい法律や手続きについて、例を挙げながらわかりやすくまとめてあります。実際の相談窓口やサイトのURLも載っていて便利です。
雑誌『世界』の7月号から10月号で、4回にわたって掲載された金子勝氏の「連載 グローバル・クライシス」がブックレットで登場。71ページという手軽さ、480円(税抜き)という安さ、それにリーマンブラザーズの破綻後、タイミングよく発売されたこともあり、よく売れています。米国が深刻な金融危機に陥ったのはなぜなのか、その根源は証券化という手法と「影の銀行システム」の崩壊にあるそう。具体的な数字をあげながら、詳しく解説しています。世界的な金融危機の中、日本経済はどうなるのか。小泉政権下で行われた構造改革のツケで、このままではかなりまずいことになるとか。
大統領予備選の最中にオバマさんがバスケットをしたのには、どんな意味と効果があったのか。こうしたパフォーマンスは、他の大統領もしてきたこと。アメリカでは、スポーツをスポーツとして楽しむ以上に、戦略的にスポーツが使われています。また、IT長者など、ビジネスの成功者がスポーツに投資する理由は? 政治もビジネスもスポーツとは切っても切り離せない関係があるアメリカ。スポーツに詳しくない私が読んでも面白かったので、スポーツの知識がある方はもっともっと楽しめるのでは。著者はスポーツライターの生島淳さんです。
『結局「仕組み」を作った人が勝っている』の第2弾。ここでいう「仕組み」とは、「自分がさほど動かなくても自動的に収入が得られるシステム」のことです。前作より一歩踏み込んで、本書ではこの仕組み作りに見事成功した9人のインタビューから、彼らの思考パターンを分析し、9つのキーワードを導き出しました。さほど動かなくても収入が得られると聞くと、楽して儲かる話を期待してしまいますが、ここに登場する9人は、それぞれが独自のアイデアと努力で「仕組み」を構築した方々。業種が違っても、あなたのビジネスに応用できそうなピンとくる話がいくつも見つかるはずです。
ダイバーシティとは「多様性」のことで、組織の活性化対策に、国籍や人種、性別、家族のあるなし、年齢など、さまざまな属性の人をあえて雇用することです。本書には、ダイバーシティが注目されるようになった背景やダイバーシティ・マネジメントの進め方なども載っていますが、もっともボリュームをさいているのがダイバーシティを推進している企業と県庁の事例紹介です。経営陣へのインタビューもあり、内容も充実。佐賀県庁と日本GEや日本HP、キユーピー、万有製薬、カルチュア・コンビニエンス・クラブグループなどの7社、全8事例が載っています。
戸籍をたどれば先祖を知ることができ、家系図だって作れますが、そのやり方がわからない。どこでどうやって取るのか、誰の戸籍でも請求できるのか、本籍地がわからないときは? 本書は戸籍の基本から始まり、古い戸籍から現在の戸籍までの見方、昔の大所帯戸籍の見方、転籍についてなど、図入りでわかりやすく解説しています。自分のルーツを知る以外にも、養子縁組の戸籍や離婚した場合の戸籍、外国人と結婚/離婚した場合の日本人の戸籍など、戸籍について広く理解できる本です。このジャンルでは、専門家向けの戸籍法の本はありますが、一般向けに書かれたものはほとんどないので、貴重な一冊です。
裁判を傍聴する人の増加や裁判員制度の導入など、法への関心の高まりを感じる今、法律をより身近に感じられる入門書としておすすめしたいのが本書です。高校生を主人公にした物語形式で書かれたケース編と、民法の基本ルールを解説するルール編にわかれています。自転車を盗られた、交通事故にあったといった、日常生活で起こりうる問題を例に、民法について考え、理解を深めるのに役立つ本。高校生向けに易しく書かれていることもあり、民法解説書の中ではかなり読みやすくできています。
食とグローバリズムというと、マクドナルドやスターバックスなど巨大企業の話になりがちですが、日本食の代表ともいえる「スシ」はこれらとはまったく違い、人と人とのつながりや寿司職人個人の力で世界食にまで発展してきたもの。マグロの養殖場やマグロ・ロンダリングの取材、日本の寿司職人がアメリカで寿司屋を出店して成功を収めるまで、寿司の歴史や築地の話など、本書は著者であるアメリカ人ジャーナリストが世界14カ国を取材してまとめた「寿司経済」のルポです。外から見ると日本はどう見えるのか、海外から見た日本がわかるのもおもしろかったです。
版元の話では、20~30年に一度、出るか出ないかの大型企画。全22巻にわたる会社法の逐条解釈本(コンメンタール)の第1巻が発売になりました。第1巻は総則と株式会社の設立31条までの条文を分析しています。2006年5月に施行された会社法では、商法、商法特例法、有限会社法などが1つにまとめられたり、有限会社が株式会社に統合されたりなど、大きな改正が加えられました。本書のようなコンメンタールが出るのを待っていた方も多いと思います。学会、法曹界の方だけでなく、ビジネスマンや会社を興したい人にもおすすめ。定款手続きの実務的なところもわかります。